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ことばの広がり

by Ryota Nagashima

小説家の上原菜穂子さんの言葉。

「私にとっての宝物は、知らないところが、私の外に限りなく広がっているということ。常に自分にはまだ見えていないことがあると思っています。」

だから彼女の言葉には広がりがあるのか。

言葉の裏側にある、分からない何かへの期待感を感じさせてくれる。

そんな表現を持った人の思考を少しだけ垣間見て、なんだか妙に納得をしてしまった。

言葉って発した瞬間に、そこに意味を縛りつけるものだと思う。

言葉に縛られていると理解していないと、

ある意味で言葉に頼り、自信を持って吐き出してしまう。そんな言葉は死んでいるし、毎日大量に生産されては消費されてしまう。

そう考えて最近は、文章を書く行為は人には見せない日記だけ。

言葉を置くことで生まれる意味に、重荷を感じていた自分がいた。

そんな時に上原菜穂子さんの言葉を見て、

久しぶりにまとまった文章を書いてみようと思えた。知らない世界があるという希望を抱くには、言葉によって"意味"を縛りつけるという行為が必要だろうと気づくことができた。

縛りつけることによって、縛られない何かを感じることに繋がるのだろうし

知らない世界があることも知らずに、毎日を同じように繰り返し過ごすことの違和感を、感じることさえ出来なくなってしまったら

せっかく"言語"という表現手段を獲得した人間であるのだから、その不自由さを楽しんでみよう。私の外に広がる知らない世界を感じ続けるためにも。

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