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またいつか。

by Ryota Nagashima

 バスを降りて空港に向かう途中、空を見上げると、薄っすらとオレンジが混じった空が見える。時刻は十時を回っている。この時期のアイスランドは日が沈まず、ここからゆっくりと夜が明けていく。

「オーロラは見えなかった。」

最初から分かりきっていた事だけど、どこかで期待していた自分がいた。そしてアイスランドの終わりに自分がこんなにもオーロラが見たかったんだと気付く。この地はこれから長く暗い季節を迎える。アイスランドの人たちは夜のない今の季節を最大限に楽しもうとしている一方で、僕は夜を望んでいるなんて随分と自分勝手だと思う。

「オーロラを見にまた来よう。」

アイスランドに到着して最初に感じたぼんやりとした不安は結局最後まで僕の中に残り続けている。けれどその不安は不快感を覚えるものでなく、僕をこの地へと引き寄きよせるような、どこか魅惑的なものなのだった。

それは自然の持つ力なのだろうし、本来人間が感じるものなのかもしれない。

 せっかくまた来るのなら真冬の季節に来ようと思う。車を借りて真っ暗な荒野を月明かりとライトを頼りに走らせる。極寒の中、何重にも服を着て、手にはコーヒー。それでも寒いねなんて言いながら天上に揺れる光を眺める。

 どうやらもう少し後になるだろうけど、必ずまたいつか来ようと思う。

この地で見た山は、海は、滝はその時まで変わらずにそこにあり続ける。

あり続けるけれどそれらの自然は一つとして同じものではない。景色としてではなく、五感を使って体感したからこそ理解する事ができた。この地で学んだ一番大切な事だ。

 次にまたこの地に踏み入れた時、僕はどんな事を思うのだろうか。全く見当もつかない。でも、分からないものが自然なんだろうし、それがアイスランドなんだと思う。そしてどうやら僕は、そんなアイスランドに随分と惹かれてしまったようだ。

 

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